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拒否

冒険者は、空飛ぶ魔法の絨毯で外周を反時計回りで移動することにする。
外周の飛び出した岬周辺に小さな建物が集まっている集落を確認する。
外周の道は石畳みである。
ふよふよと空の高みから降りていく。
金属の鍋か楽器を叩く音が旧あちらこちらからしてきます。
しばらくすると通りのあちらこちらから、わさわさと兵士が現れて、冒険者を取り囲むように集まってきます。
重たいフルプレートの甲冑を着用し、肌を全く出していません。
その兵士達は「人間はここにくるな〜。」「人間は出て行け〜。」と書いたプラカードを掲げています。
街路に降りることなく、集落を頭上から見て回ることにする。
とある住居に近寄ってみると、香ばしい香りがしている。
トーエン「これはレンバスの香りじゃないかな~。」
*原形はシンダール語のlenn-mbassで「旅行用食糧(journey-bread)」の意。単に行糧や薄焼き菓子とも呼ばれる、エルフの携行保存食。
その住居の窓は、木の扉で閉められている。
住居は、ほとんどが平屋である。
白く塗られた壁に薄く加工された石を積み上げた屋根である。
* イタリア・プーリア州の気候・トゥルッリの住居をイメージしてください。
トーエン どんどん叩く。
*乗り遅れたバスの登場口の扉を叩く老婆のごとく。連打する。
何か声は聞こえるが
チェルシー「エルフ語がわかるものは、いないか~。」
トーエン「神って、みんな同じだろー。なんとかなるだろー。」
レッシュ「そんなの~無理だって。」
トーエン「そんなこと言わないで~出てきてくださいよ。」
チェルシー「尋ねたいことがあるだけなんですー。」
トーエン「だいたい共通語が話せないっておかしいだろー。まったくー。わざとわからない言葉で話すんじゃ~ないー。」
「人間はでていけー。」という言葉がします。
レッシュ「ってことはー。言葉はわかるけどー。無視しているということだなー。」
トーエン「さすが、世捨て人だな。長でてこいや~。」
急に湿気を含んだ霧が周囲に垂れ込めてきます。
水気をたっぷり含んだ魔法の霧であることがわかります。
レッシュ ぶつぶつ呪文を唱えてると、冒険者の周囲だけ霧がはれます。
*高度が高いこの地域では、雨雲より高い為、湿度は魔法で飲料水や植物のために制御している。
** 湿度により、通常の鉄器の腐食は進むことは当然であり、一種の防御手段として利用している。
平屋の建物の屋根には、露をつき、それは屋根を伝って雨樋から瓶と流れていきます。
*降雨が皆無のこの地域の飲料水確保の方法なわけです。
トーエン「なんの呪文?」
チェルシー「実際は、結露している感じですよね。」
トーエン「攻撃呪文じゃ~ないよね。水の巨人を呼び出すとか~。そんなもんじゃ~ないのー。」
*妄想爆発です。
トーエン「人間は出て行け~といいつつ先制攻撃はないじゃ~ないのか。」
返事はない。
トーエン「攻撃したら~反撃しますよ。」
レッシュ「代表者はでてこないのか~。」
プラカードから剣に持ち替えた兵士がわたわたと集まってきます。
レッシュ「だめだ~。」
トーエン「そろそろ話を聞いてくださーい。」
レッシュ「ここには代表者がいないのかも~しれません。」
冒険者は、仕方なく上昇し、この集落を離れて、外周にそって特異な構造物がないかと空飛ぶ魔法の絨毯で探してみることにする。

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