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人民の王

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朝になる。
被災民相手に炊き出しに汗する冒険者たち。
チェルシー「呪文の書の干すぐらいの作業をしますか?」
有志を募って、みんなで人海戦術で手分けして作業をすることにする。
トーエン「報酬をはらいますよ。」
被災民「貨幣よりも食料だ。ソーセージがいいな。」
トーエン「じゃーガルブレイス負かせた。」
ガル「わかったよー。じゃーチェルシーに書物を入手した報酬として金貨30枚を渡すから、買い取ったということにしょう。」
トーエン「それは無理だ。安すぎる。10冊が30枚なわけがないだろう。寝言を言うな。」
ガル「金貨300枚ならいいだろー。」
レッシュ「体で払ってもらおう。」
ガル「その手にはのらないぞ。散々こき使うのはわかっているんだぞー。」
被災民のさめた目線。(-_-)
トーエン「1レベル魔法の巻物が金貨300枚ぐらいしか記憶がある。」
ガル「体で払うって話なら~マイナスだよ。今まで散々こき使っておいて。ぶつぶつ。」
トーエン「売る相手はいくらでも~あるんだぞー。」
不毛な会話がえんえん続く。
ガルブレイスのトーエンの評価は地に落ちている。
トーエンの態度に怒るガルブレイス。
ガルブレイス「困っている時に足元をみる態度が許せない。もうゲレオールについていこうかな。」
裸の王様は不満たらたらである。
トーエン「王様は、どうしますか?」
王様「ここをとにかく離れたい。」
王様は、召使がひろってきた襤褸布を羽織っている程度である。
王様「聞いていた服が気がついたら灰になっていたのだ。」
トーエン「・・・・・・」
レッシュ「行くあてはあるのですか?」
王様「とにかくココを離れたい。ここは、死臭しかしない。」
トーエン「あなたの国ですけどー。」
王様「もう無理だ。」
トーエン「王がまっさきに国を捨ててどうするんだ。」
被災民のさめた目線。(-_-)
王様を無視して、作業にいそしむゲレオール。
ぼろかす怒るレッシュ。
王様「どこの冒険者かよくわからん奴にボロカス怒られないといかんのだー。もう疲れた。どっかにいこう。」
レッシュ「ゲレオール、ここに城を建てないか。」
王様「今日は、天気がいいから~ここから出て行こう。」
とほほな召使。
トーエン「こんなに馬鹿だったかな。もっと聡明だったはずだがー。」
レッシュ「こんなにはひどくなかったように思うがー。」
王様を観察するも本物に間違いはない。
トーエン「王国の所有権は明確にしてくださいよ。ちゃんとゲレオールと会話してくださいよ。まったくー。後から揉めたくありませんからね。」
王様「ゲレオール。任せたぞ。私は去る。」
と召使をつれて、その場を去ることにする王様。
トーエン「これで君は、この国の王だ。」
チェルシー「トロンヘムという名を変えてもいいぞ。」
トーエン「王よ。ご支持を。」
ケレオール「そうか~。」急ににやにやしはじめる。
チェルシー さめた目線。(-_-)
被災民「王様!王様!王様!」とたたえる声が沸きあがる。
トーエン「王は即位された。承認したのは、この民衆達です。」
レッシュ「戴冠するにも冠がないねー。」
子供が編んでくれた花の輪を取り出す。
レッシュ「貴方が王様です。」
とかぶせてあげる。喜ぶゲレオール。
トーエン「王よ。トロンヘム奪回に尽力しますが、その暁にはマイドゥの神殿を建設していただきたい。そして、神聖トロンヘム王国にしてください。」
ゲレオール「よかろう。」
トーエン「では、神聖トロンヘム王国のために。」
レッシュ「現世利益最優先。」
小声でごにょごょ
王様「任せただけだ。去っただけだ。すぐに体制を立て直さないと。」
召使「王は、王なり。」
召使「退位とは、一言も発言にはなっておりませぬゆえに。」
王様「いかにも~。」

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商人

がらがらと大きな音をたてて、荷馬車が何台もやってくる。
周辺にいきなり露天を組み立て始める。
「タイソー安いかもしれない。」
という看板をいきなり掲げる。商品を並べ始める。
店員「銅貨1枚でなんでも買える。」と連呼し始める。
「配給もらうにはコップや容器がいるよねー。いまならなんとー。銅貨1枚ですー。」
トーエン「そういう火事場の商売は、感心しないね。商品はどうんだけーあるのか?」
店員「荷馬車いっぱいはある。」
トーエン「全部うったら~いくらだ。」
店員「商品は金貨20枚かな。」
トーエン「金貨15枚でうらんか~。」
店員「売った。しかし、馬車はつけないよ。」
トーエン「じゃ~焚き出しの横においてくれ~。」
代金を受けとった商人はさくさくと仕事をしている。
トーエン「器のない人は大丈夫だ~。マイドゥのおぼしめしだー。器も~あるよー。」
夜は更けていく
そそくさと寝ようとするレッシュ。
トーエンに諭されて@重症の被災民に治癒呪文をかけるレッシュ
ゲレオールは草臥れて倒れるように寝ている。
早く床につく冒険者
一応交代で警備をすることにする
幕間
「かれこれ音信不通となり一月の地域があるらしい。」
「通商が途絶えたとな。」
「何事かの天変地異とか。」
「我等の布教の機会が到来した。」
「困っている方々に神の福音と祝福が必要だ。」
「神の存在を示すとがきた。」
「神は今ここにいると。」

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配給

チェルシー「戦士は戦うのが、本願なのです。戦士が助けるもんじゃ~ない。」
ゲレオール「掘っ建て小屋をずーっと作っているんだー。それがなにがわるいー。」
レッシュ「キケンなところに、掘っ建て小屋を作ってどうするんだ。」
ゲレオール「皆を守る為にここにいるのだー。」
被災民からは,その通りだー。の声が沸き上がる。
チェルシー「元から絶たないと~。建ちにいかないとー。」
ゲレオール「跳ね橋をおとしたし、半魚人を水際で防いでいるのでー。それで手一杯なんだ。」
レッシュ「200フィートクラスの巨人を倒せるぐらいにならないとー。」
ゲレオール「無理だー。」
チェルシー「いやいや3m程度のカエルだしー。」
トーエン「できるできる。大丈夫~。元気があればーなんでもできるー。だから~旧市街地を奪回しないとー。」
ゲレオール「現状維持が精一杯なのだ。」
トーエン「旧市街地にある知識の書庫を奪回しないとー。それが亡くなれば、彼らはカエルだロー。ってことなんだ。」
ゲレオールは、まったく理解できていないようだ。
レッシュ「君がそんなに汗水働く必要はない。他にまかせればいいのだ。」
チェルシー「戦士は戦力としてほしいですね。」
ゲレオール「そういうことは、王様がやるべき仕事でしょう。俺がやるべき仕事じゃない。」
絶句する王様
王様はぼろぼろの服をまとい、王冠もなく威厳は皆無だ。
レッシュ「もう亡国の王だよー。何もできない。」
チェルシー「王はその前に病み上がりだ。」
トーエン「最低限、絶対的に確保しないといけない文献はあの中にあるのでしょうか?」
ガルブレイス「取り返す作業労力、時間、使えるかもわからんずぶぬれの書物、もうあきらめたほうがいいかもしれぬ。」
トーエン「一度失われたものは帰ってくるわけではないのですよ。」
ガルブレイス「英知は、先人たるエルフたちに教えを請うたほうがよいかもしれぬ。そこいらあたりにぷらぷらしているエルフは一人ぐらいはいるだろー。」
トーエン「いやな予感しかしないー。」
ガルブレイス「それなりのところにエルフの居留地もあったはずだしー。」
レッシュ「城壁の中には魔物が跋扈している現状でどうします。奪回するのか。遷都するのか。」
ガルブレイス「旧市街地は一旦破棄ですかなー。」
王「悩ましいところではあるがー。遷都か。」
*レッシュの呪文で、水の塊にあったマジックアイテムは、池のそこに落下した。
議論を放置して、夜に旧市街地に潜入を試みる冒険者。
絶え間ないライトを呪文をかけた剣をもって突入していく。
夜の旧市街地には、人間サイズのカエルもどきがたくさんいる。
どうやら、人間、半魚人からカエルもどきに変移した者たちが大量にゲロゲロ言っている。
トーエン「そんな姿で生きるのは不憫だろー。いっそ始末してくれるわー。」
ばっさばっさと切り捨ててる。
レッシュ「助けても無駄だー。葬ってくれよー。」
ハンマーでぶちのめしていく。
逃げまどうカエルもどき
レッシュは、魔道書10冊を手に入れた。
冒険者は、意気揚々とガルブレイスのもとにもどってくる。
ガルブレイス「濡れてるしー。がっかり~である。」
トーエン「かわかせー。勇者なら~救ってこい。王様から檜の棒をもらっていっこい。」
王様「もってないぞー。」
ゲレオール「疲れてーへろへろだよ。」
トーエン「ゲレオールはなんでーこんなことをしているだー。なんの対価もなしに。」
ゲレオール「そんな俗物的ことは考えたこともない。」
民衆の評価は高い。どよめく民衆。
レッシュ 「これは~マイドゥの神の力ですー。」美味しいオートミールを配る。
トーエン 隠れて上等なステーキをばくばく食べている。
チェルシー「ヘレじゃん。」
オートミールのたきだしに被災民の行列がながながとできる。

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キャンプ

被災民のキャンプ地「勇者のバラック」に向かう。
トーエン「なんで~ここがー『勇者のバラック』って言うですか~。」
ゲレオール「それは、俺がいるからさー。」と異様に白い歯をみせ、ニカっと笑う。
虫歯はない。
チェルシー「もしや~貴方が竜神将?」
トーエン「名前はなんだっけー。」
ゲレオール「ゲレオールですけどー。あ~すいません。昨日も相手したじゃ~ないですか~。憶えてくださいよ。」
トーエン「そうじゃ~なくって。だれにそそのかされて龍を倒した。」
ゲレオール「それは、ルガランだよ。」
レッシュ「そうきたかー。」
ゲレオール「さらには、ターポートとオールダムにも同じことを言われた。」
レッシュ「地上の協力者とは、そのことなんだっけー。」
チェルシー「アボレス破滅を夢見るものってなにかしりませんか?」
ゲレオール「なんのことやら~さっぱりーわかりません。」
ガルブレイス「消滅教団の幹部なんじゃ~ないのー。そういう称号では?」
トーエン「消滅教団は、なんでー消滅しないんだろーねー。あんな教義がそもそも矛盾しているというのにー。現世利益最優先だよ。来世はない。あいつらしつこい。」
レッシュ「活動の内容がどんどん大きくなってきているねー。元から絶たないとだめなのかねー。どうしたらーいいんだ。」
トーエン「大幹部を抹殺したりー。いろいろあったのにー。しかし教団自体を抹殺したわけじゃ~ないからなー。」
レッシュ「トロンヘムをなんとか~せんといかんなー。」
トーエン「龍は二匹いただろー。」
ゲレオール「なんなのー知らないよー。」
トーエン「おまえ戦っただろー。」
ゲレオール「一匹しか戦ってないよー。」
レッシュ「おまけでついていたはずだぞー。」
トーエン「おまえが龍を倒すから、こんなことになったんだぞー。わかっているのカー。まったくー。」
ゲレオール「そんなことをいきなり言われてもーわかんないよー。」
トーエン「守護していた龍を倒すからこんなことになるんじゃ~ないかー。」
えんえん説教する冒険者
しかし、被災民たちは、怒り始める。
勇者を苛めるのはよくないと喚きだす。
住民を無視を決め込むトーエン。
トーエン「そうだーあの池に放り込もう。竜神将?なら~あのカエルを倒してこいよー。それぐらいできるだろー。連れて行ってやるからさー。ひと暴れしてこい。」
ゲレオール「準備してないよー。」
トーエン「明日までまってやるからー。」
ゲレオール「疲れていてへろへろだよ。」
トーエン「城壁の中の旧市街地にだれも行ってないじゃん。俺たちだけだろー。」
ゲレオール「あんなところ行く必要はない。被災民、けが人もまだたくさんいる。彼らをなんとかしないといけない。まだやることはいくらでもある。どうするんだよー。まったく。」
被災民からは,その通りだー。の声が沸き上がる。

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後退

レッシュ「壊してもいいかね。」
水の塊が高速で回転して、巻物や書物をまき散らしている。
チェルシー「キケンだからねー。」
レッシュ ぶつぶつ呪文を唱える。
ぼん
水の塊がいきなり落下して、砕けちる。
光の塊は霧散してしまう。
カエルもどきは、大きくゲロゲロ言っている。
かなり怒っているようだ。
レッシュ「ハ~ハッハッハッ。悪の栄えたためしなしー。」
トーエン 空飛ぶ魔法の絨毯に仲間全員のせて城壁を飛び越えていく。
大穴の周囲には取り囲むようにカエルもどきが4匹と、幽体の魔法使いが6人ぶつぶつ呪文を唱えている。
水をかぶっても何も問題なく鎮座している。
レッシュが廃墟に降り立ち、ぶつぶつ詠唱しながら、近づいていく。
悲鳴をあげて消え去る魔法使いの幽霊。
カエルもどきが一体消え去る。
驚く かえるもどきは、水の中に飛び込んでしまう。
レッシュ「うーむ。」
トーエン「一旦後退?様子を観察する?」
レッシュ「毛ばりを水たまりにたらす?」
ガルブレイス「カエルじゃ~ないしー。」
チェルシー「様子を観ますかねー。」
軽食をとりつつ、ガレキに隠れて様子を伺うことにする冒険者。
周囲には、のたうちまわりもがき苦しむね半魚人がちらほらいます。
体色は、徐々に赤く変移しています。
チェルシー すかさずかけより、止めを刺す。
口は、大きく裂けていき、半魚人ではない姿に変移していく途中のようだ。
半魚人は倒れてしまった。生命の鼓動は感じられない。
わたわたと手分けをして、もがき苦しむ半魚人を手当たり次第に抹殺する冒険者。
冒険者には疲労に襲われるも、気合で作業をすすめる。
周囲には半魚人はいなくなる。
トーエン「しんどいけどー。不毛だけどー。成果は成果だ。」
日は傾き、周囲は静かになった時点で、城壁の向こう側に撤退する冒険者。

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裸の王様

王 衣服はない。
レッシュ「王様お疲れ様ですー。」
王「余は、誰かに殺されたような感じがするがー、気のせいだったかのー。高熱でうなされたおったのは確かだがー。」
チェルシー「それは、気のせいでございます。大手術を行ったのです。」
王「なにやら、香ばしい匂いがするがー。」
チェルシー「それはどうでもいいことでございます。王様の体に寄生していたものを焼いている所なのでございます。」
周囲の見ていた一般人は、どんびきである。
従者は、慌てふためき、王にそまつな衣服をあてがう。
レッシュ「これが、神の奇跡なのです。」
納得する住民達
ウダウダしている 冒険者の頭の上に、杖とか魔術書がワラワラと降ってくる。
その巻物や書物には、文字はまったく書かれていない。
レッシュ「?」
呆然としている冒険者たち
旧市街地から飛んでくるように見える。
ばらばら飛んでくる巻物や書物は、まだまだつづいて飛来してくる。
レッシュ「魔法が何もない。紙魚か?」
*人家に生息するものが本を食害すると思われていたため「紙魚」と書かれる。英語では「silverfish」という。
レッシュ「話はもどって、カエルもどきは、卵をうみつけた後どうするんだ?卵は、なにかを召還するのか?」
ガルブレイス「いや。卵は宿主を操り、食い散らかして羽化する。それ以外には噛まれると変移してしまうものもいる。」
トーエン「じゃ~あそこにいる。カエルもどきは元住人?」
ガルブレイス「四匹が感染源なら~そういうことになる。」
レッシュ「早く返さないとー~。」
トーエン「それができるのはー君だけだ~。」
チェルシー「応援するよー。」
トーエン「従者は、発症していないから、とりあえず大丈夫だな。」
レッシュ「ガルブレイスにも手伝ってもらわないとー。」
ガルブレイス いい顔はしない。
レッシュ「除霊の呪文は30フィートしかとばないぞ。」
レッシュ ぶつぶつ呪文を唱える。
トーエン 空飛ぶ魔法の絨毯に仲間全員のせて、ふよふよと浮き上がる。
旧市街地を遮る城壁の高さまであがってくる。と見えるものが今までとは違う。
汚水だけをかき集めた水の塊が高速で回転している。
その大きさは30フィート程度。
回転しながら、巻物や書物をまき散らしている。
中心部分は鈍く輝いている。
その光はどんどん増している。
それに反比例して水の塊は小さくなっていく。
レッシュ「あれは~なんですかねー。」
ガルブレイス「わかんねーよー。魔力の塊なんじゃ~ないかな。」
レッシュ「あれを壊せば、霧散してしまいますよね。」
ガルブレイス「うむ。」
チェルシー「真下ではそれは、やらないようにしよう。」

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複製

上空の漆黒の雲は、どんどん集まってきている。
渦を巻く雲は、台風の目の用なり中心部は無風となり漆黒の邪悪な玉を紡ぎだしている。
最初は、回転する雲の塊が、大きな球形となり、回転の速度が早くなるとどんどん小さくなっていく。
レッシュ ぶつぶつ呪文を唱える。
レッシュ「消え失せよ。邪悪な魂よ。昇華し、霧散せよ。」
レッシュの聖印は光り輝く
凝縮していた灰色の珠は、いきなり霧散する。
今まで周囲に垂れ込めていた灰色の雲は、ゆっくりと拡散していく。
周囲には残念、落胆、の感情がひろがっていく。
カエルの鳴き声は、怒りをまとっている。
トーエン「日照り作戦だな。」
レッシュ「地下の書庫の本はどうですか?」
ガルブレイス「見ればわかる。あれでは無理だ。あのカエルどもは、カエルではない。」
トーエン「じゃ~なんですか?」
ガルブレイス「カエルが二足歩行するわけないだろー。」
レッシュ「カエルの姿をしたかぶりものをしているだけとか~。」
トーエン「下半身が蜘蛛で上半身がエルフとか~。そういう奴?」
ガルブレイス「似たかよったかだなー。リンボあるいは辺獄とか忘却界という永遠の地獄に定められてはいない人間が、死後に行き着く場所と言われる。 何もないところから 奈落の隣の領域だったかな。コルムが召還者を呼びつけるもとなる世界もリンボだった。寂しい場所だったかな。」
レッシュ「グンマ?」
トーエン「違う~。」
レッシュ「強制送還の呪文がつかえるじゃん。」
ガルブレイス「そうだ。しかし、奴らは面倒だぞ。病気をうつしたり、卵を産みつけたりとか~。ほおっておくとじゃんじゃん増える。」
トーエン「卵?」
ガルブレイス「鼻くそみたいな小さな卵を投げつけてくるのだ。」
絶叫するトーエンはなにか気がついたようだ。
空飛ぶ魔法の絨毯を城門の外へとさっさと移動させる。
人気のいないところに病人のトロンヘム王を連れ出す。
王様は、まったく元気ではない。異様に膨らんだ腹部。
トーエン「怪しい。卵が植えつけられているに違いない。
王「なんだ~。何を言っておる。」
チェルシー「一回死んでもらう。」
トーエン 王にいきなり猿ぐつわをする。
王 目を見開き、必死に抵抗じたばたしている。
トーエン 問答無用で王の腹を切り裂く。
卵のようなものは、まったくなく腸があるべきところに腸はなく、中身は半分以上にどろどろのスープのような状態になっている。
サナギの中身のような状態で変身の途中のような状態に近い。
トーエン「なんか~だめっぽい。もう人間ではなくなる直前じゃ~ないか~。」
エリー「まだ口は裂けてないけど。目も離れているけじゃ~ないし。」
レッシュ「変移していない皮膚の欠片でも確保しておこう。」
エリー「変態だー。」
トーエン「もういい燃やしちゃおう。」
レッシュ「塵にしてしまう魔法ぐらいあるでしょう。」
ガルブレイス「なんだってー。無理無理~。君たち何をしているんだい。王様を殺すきかい。」
チェルシー「王様が、魔物に取り込まれているんですー。助けるためなんです。」
トーエン「保険のために、髪の毛も確保しておこう。」
​ガルブレイス「もがき苦しんでいるんではないか。きみたちは一体なにをしているんだ。」
とかなり興奮気味である。
トーエン「みたらわかるでしょう。」
チェルシー「とりあえず、とどめを刺しましょう。」
と極めて冷静に振る舞う。
チェルシー ザックリ止めをさす。
レッシュ「さっさと燃やして!」
絶句するガルブレイス
⭐火葬は、場所によって一般的ではない。
トーエン 薪をかきあつめて、油をぶちまけてさっさと燃やす。
レッシュは、先程あつめておいた材料を触媒にして、ブツブツと呪文を唱える。
レッシュ「死して、まだ昇華せずに迷える魂よー。もどってこい。おいでませー。王様。」
先程燃やしたばかりと瓜二つの王そのままの複製ができあがる。

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詠唱

翌朝
雨は結局することもなく、曇天 
明るくはなくいい天気とはいいがたい。
レッシュ 朝からぶつぶつ呪文を唱える。
とりあえず元気になるトロンヘム王
王の居城や住まいにもどると言い出す。
冒険者たちは、空飛ぶ魔法の絨毯でもどることにする。
ガルブレイス、王とその従者もそろってもどることにする。
空飛ぶ魔法の絨毯で空の高みから、旧市街地の様子を観察する。
魔術師組合会館跡地にあった場所のにある大きな縦穴はさらに大きく広がり、水がたまっており、その下はどうなっているのかは、まったくわからないという状況。
見ている間にも、周囲には亀裂が走り、崩落と落盤を繰り返しながら、さらに拡大しているという状況を垣間見ることができた。
ガルブレイス「地下書庫は、もうだめかもしれない。」
水は、周囲からどんどん流れ込んでいるという感じがする。
さらには、ゲコゲコと鳴き声がしている。
しばらくするとのこのこ真っ赤なカエルが4匹出てくる。
空から見てかなり大きいので、実際はかなり大きそうという感じである。
レッシュ ぶつぶつ呪文を唱える。
レッシュ「オーガなみだな。杖をもっている。」
トーエン「こん棒じゃ~ないのかよー。」
レッシュ「召還された奴だな。額に紋章とかついているぞー。」
チェルシー「こんなところに放置していいわけないじゃ~ないですか~。」
縦穴の周辺に集まってきている。
レッシュ ぶつぶつ呪文を唱える。
回転するハンマーが出現して、ぐるぐる回っている。
まったく動じていないカエルたち。
レッシュ「効果なしかよー。」
さらに幽霊のような奴がわらわらと増えてきている。
かれらは詠唱をはじめているようだ。
「殺戮の残照よ。」
「生への執着よ。」
「生への呪いよ。」
「ここに残る邪念よ。」
「雲となっていた思いよ。集まりて。」
「参集せよ。大地の邪気とともに。」
「集まりて、雲の宝玉となりて。」
「我等の至宝とならんや。」

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魔法使いの帰還

ガルブレイスの庵は、からっぽという状態である。
菜園もあまり手入れはされておらず、雑草なのかハーブなのか皆目わからないという状態。
天候は、急にわるくなってくる。
慌てて、洗濯物をしまいこむ住民たち。
まかない係のおばちゃんの話によると王様は食っては寝ているだけでオートミールをばくばく食べているとか。
慌ててたべた分だけ、王様の腹が膨らんでいるようだ。
トーエン「胃が膨らんでいるだけだー。気にしない。」
ガルブレイスの庵を勝手にいろいろと物色する。
当然、隠れた地下室を発見して、のこのこ進んでいくも本しか見当たらない。
チェルシー「とりあえず、今日はここで雨宿りしつつ、一泊して明日朝には、もどることにしましょう。」
時間を持て余したトーエンは、従者を問い詰める。
トーエン「ここはおかしい。なんで神がいない。おかしい。」
従者「そんなことをいきなり~言われても~わからいんですよー。以前のゲルスに神はいたじゃ~ないですか~。」
従者「今では、トーエン村とか言っていた場所ですけどー。」
トーエン「そうじゃ~ない。王の居城や住まいがある場所に神殿が皆無っておかしくないか?おかしいだろー。」
従者「そう言われても~ねぇ~。」
トーエン「そして、魔法に依存がひどすぎる。おかしいー。ガルブレイスもかえってこないしー。しょうがない。晩飯にしよう。」
チェルシー「そうそう。『アボレス破滅を夢見るもの』って聞いたことはないですか~。」
従者「なんのことやら~さっぱりー。」
チェルシーが庵を物色している。
納屋の外で従者に尋問しつつ、たき火を囲んでうだうだ雑談しているトーエンたち。
ガルブレイス「おまえたちこんなところで何をしているんだーまったくー。」と悪態をつきつつもどってくる。
レッシュ「生きていたんですか~。」
チェルシー「どこに行っていたんですか~。」
トーエン「そうじゃ~なくてって。トロンヘムが滅んだことを知っていますか~。」
ガルブレイス「なんじゃ~そりゃ~。」
トーエン「じゃ~まずは説明。トロンヘムは滅びました。」
チェルシー「一月前に津波と地震があったことはをご存じですか?」
ガルブレイス「いろいろとごたごたがあってだなー。空飛んで逃げたのだ。」
トーエン「結局、しってんじゃん。」
レッシュ「今までどこで何をしていたんですか?」
ガルブレイス「知り合いのところに身を寄せてだらだらとしていた。」
レッシュ「悠々自適~。」
チェルシー「じつは~我等はトロンヘムの王を保護しているのですー。」
レッシュ「様子をみますか?」
楯の中の秘密の小部屋へと案内する。
ガルブレイス「元気に食事しているようだが~。」
トーエン「でも、高熱がつづいているとか~。」
ガルブレイス「それだけでは、よくわからんな。」
トーエン「明日になれば、魔法で解決するのでーほっときゃ~いいんですが~。」
チェルシー「貴方の様子を見に我等は、ここまできたわけですが~。」
レッシュ「他の人たちは?大丈夫なんですか~。」
ガルブレイス「わからんなー。そうじゃ~本が心配じゃ~。」
トーエン「まてまて~い。魔術師組合会館周辺は、半魚人ばかりですー。今はやめといたほうがいいっすよ。」
ガルブレイス「しょうがないのー。しかし、納屋のベッドは俺のだからなー。」
レッシュ「来客用のふとんをおかしいただければーそれでー。いいです。」
夜はふけていきます。

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