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いつわり

郊外まで、一端もどっていく冒険者。
あっちこっちを見てまわるレッシュ。
レッシュ「城壁の周囲には堀やら川があったのにーここにはないぞ。おかしいー。橋があるところに橋がないぞ。」
チェルシー「町の様子がちょっと違う。幻覚? それとも埋め立てた?」
レッシュ「「いやいや周囲の畑への灌漑用水に使われる川だったのにー。畑はあるけどー川がない。畑は時期的にあれだからー。何も生えていないからーあれだが、これでいいのかね?」
チェルシー「ここはいったいどこなんだー。」
レッシュ「ここは、ほんとにトロンヘムなのか?建物がかなり違うが~。」
チェルシー「トロンヘムと錯覚しているのか?」
冒険者は、空飛ぶ魔法の絨毯に乗り込み、空の高みに舞い上がって見下ろそうする。
トーエン「城壁に囲まれた尖塔の町だがー。周囲には川はあるけどー。かなり距離があるし取り囲むようには流れていない。」
レッシュ「建物があるように見えるけど幻術だな。周辺部分は、かなり張りぼてというかー描かれた板が、あるだけなんてのもある。描かれた板をつっかえ棒で建てているだけで後ろには、テントがあるとか~。なんじゃ~こりゃ~ってな感じです。」
トーエン「どっきりのネタ?」
レッシュ「遊園地のたぐいじゃ~ないよね。」
チェルシー「え~~~。」
レッシュ「王の住まいの尖塔は下層部分は、ちゃんと建物だが、上層部分は板一枚の書き割りに幻術かけてあるだけだぞ。」
さらに周囲を飛んで、町を俯瞰で見渡し、様子を伺う。
レッシュ「周囲を取り囲む壁はやすっぽいが、ちゃんと立っている壁だ。魔法を解除したら、本来の姿になってしまうんじゃ~ないかな。板一枚で描かれた屋敷とかばかりになってしまうのではないかな。」
トーエン「中にいる人達は、それを承知の上で住んでいるんじゃ~ないかな。」
レッシュ「それなら~そのままでいいってことー。」
トーエン「ここは、トロンヘムじゃ~ないわけだからー。全員敵と見なしていいんじゃ~ないかな。」
レッシュ「ここから、脱出する方法を探さないといけないしー。周囲を探索しても限界があるしー。」
なんて話をしていると豚を数頭を荷馬車に乗せた商人がやってくる。
飛びだすチェルシー「ちょっとーまった~。」
商人「なんだいなんだい。」
チェルシー「ここはなんて町ですか?」
商人「何を馬鹿なことを聞くのかとおもったらー。トロンヘムにきまっておるだろー。」
レッシュ「ではーどこからここに?」
商人「ターランドの辺りから来たのだがー。馬車で片道四日かな。そうそう最近えらい霧濃くてねー。難儀するんだよねー。」
レッシュ「最近どんな感じですかね。」
商人「毎週ってことはないんだがー。ひっきりになしに注文がくるのでー来ているぐらいかな。」
*往復8日なので、ほぼひっきりなしということである。
レッシュ「トロンヘムって以前と変わっていますか?建物が増えたとかー。」
商人「そういえばー。塔がいくつかー増えたかな。」
レッシュ「それって、どれぐらい前からですかねー。」
商人「どうやろー。一月ぐらいかなー。魔法使いがやることは、よくわからん。そんなことに頭をつっこんでいると時間が足りないよー。寝ている間に小人さんがやってきてー作ってくれるんじゃ~ないの?」
トーエン「今何年ですかね。」
商人「92年じゃ~ないのかねー。」
忙しいそうにしている商人は、荷馬車をあやつりほてほて進んでいく。
トーエン「霧の向こうは時間は、かわらん。」
レッシュ「トロンヘムだけーおかしいー。」
トーエン「ここに関わりたくないんだよねー。」
レッシュ「何かがおかしいー。」
チェルシー「霧がおかしい。首都消失なんてー話があったよねー。」
仕方がなく、ぷらぷら歩いて城壁の中へと入って観察してみる。
動きの妖しい市民は、実は魔法で見た目を加工しているが
オーク鬼やゴブリン、あるいはオーガ鬼や動く死体だったりすることがわかります。
レッシュの近くまでやってくると、いきなり倒れて、砕けちったり、衣服だけを残して塵になったりしてしまいます。
悲鳴をあげるご婦人なんてのもいます。
一部で大騒ぎしている方々がいます。
レッシュ 通行人を捕まえてなんとか話を聞き出そうとするも
通行人「肖像画の人だ~。」と指を刺して、騒ぎはじめる。
「この者 災いを齎す。注意せよ。関わるな~。逃げよ~。速やかに立ち去ること~。」
皆がいきなり、騒ぎはじめる。
甲冑のガチャガチャと音がして、衛兵達がどたばたどたばたとやってくる足音がする。
「災いをもたらす者、災厄を振りまき、私腹を肥やし、周囲を皆不幸に突き落とすもの。」
衛兵の取り巻く数がさらに倍へと膨れ上がります。
市民達は、さっさっと逃げおうせてしまいます。
衛兵「なんだ~またお前達か~。」
レッシュ「ちょっと~町を散策しているだけなんですけどー。」
書記官「妖しい実にあやしいー。」
衛兵「紛らわしいからーとっととこの町から退去したほうがいい。」
書記官「その通りー。」
トーエン「衛兵さん、今は何年?」
衛兵「新王国歴115年だー。」
トーエン「いつからー115年なのー。」
衛兵「今年の頭から115年だがー。」
トーエン「貴方の生まれた年は?」
衛兵「えっとー85年だがー。何かー。」
王宮のほうに向かおうとする冒険者達。
チェルシー 衛兵のポケットある紙切れを目ざとく見付けて奪取する。
本人は、まったく気がつかない。
衛兵を逃れて、裏通りへと逃げて、まじまじとそのメモ書きをみる。
チェルシー「今は、115年と何を聞かれても答えましょう。生まれた年も加算して答えましょう。間違えるは給与天引きです。偽りの歴史がことこまかく書かれていますねー。」
トーエン「誰を騙そうとしているのか?が問題だねー。」

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