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元人間

フードを深く被って、面をかぶっている二人がなにやら作業をしています。
トーエン「や~や~どうもどうも~。久しぶり~。」
カルシアス「なんだ~。人間。」
トーエン「人間扱いかよー。」
ヴァラン「人間を驚かさないように苦心しているのにーいつも身も蓋もない。」
トーエン「わが主が喜んでいるからー助けにきたとかー言っていたではないかー。」
カルシアス「もう一仕事終わったであろう。」
トーエン「あれで貸し借りなしということだったわけだがー。とりあえず『人類繁栄の幸福教団』
はないだろー。」
チェルシー「名前に偽りあり!」
カルシアス「一応この名前で活動しているもんでね。」
トーエン「もっと分かりやすい名前にしたら?髑髏党とか白骨の手教団とか~。」
ヴァラン「そんなんじゃ~信者が集まってこないー。」
トーエン「だって~真なる紋章がそれでしょう。」
カルシアス「そんなことは、ここでは言えない。」
ヴァラン「営業妨害か?脅迫して金品巻き上げようというごろつきか?」
トーエン「さては~マラクラと協調して、またよからぬことを企んでいるな~。」
カルシアス「マラクラ?そんや奴は接触すらない。」
トーエン「つるんでない~。ここいらから~信者候補が連れ去られているようだが~。それでいいの?」
カルシアス「我等は我等だ。向かっている先が違う。エルフやドワーフよりも人間が優位に立つ為の努力が必要であると我等は考えている。ゆえに貴公らも我等を支援してくれてもいいのではないか?と我等は考えているわけだ。」
トーエン「助けてもいいのだがー。そうそう以前、魔方陣に飛ばされてエライ目にあったぞ。ニンジャの隠れ里。」
カルシアス「あれは、わが主の思し召しだ。」
それを理解できない冒険者達はぶつぶつ文句を言っています。
カルシアス「あの魔方陣は、わが主の思し召しだよ。飛ばされた先で君たちが善行を積めば、仲間のいないとぼやいている君たちに仲間なり支援者が増えたはずだよ。」
ヴァラン「わが主のお導きに気がつくことができなかった。それも日頃の行いか~。」
トーエン「あんたら~邪悪だろー。それが善行を積んでもないんじゃ~ない?」
カルシアス「我等は、我等の正義を押し進めている。それだけだ~。」
ヴァラン「君たちが勝手に邪悪と言っているだけのことー。それこそ迷惑だ。」
カルシアス「わが主が、神々の高みに登るために一段一段あがって行かなければならない。その為に努力が必要なのだ。」
トーエン「時は無限にあるわけだしー。そんなに慌てて登らなくても~。」
カルシアス「いやいや~定命のモノたちである君らの残り時間のことを考えて、支援をさしのべたのにー君たちは気がつかなかった。君らのことを考えてやったのにー。」
トーエン「もっとゆっくり行動を起こしてもらえないだろうか?」
ヴァラン「無限の時間がある時、怠惰なエルフのようになってしまう。何もしなくなる。保守的な行動では何もカイゼンはされぬ。」
トーエン「主には30年ぐらい休んでもらって~人間のことを放置しておいてほしいな。その間に人間は、死ぬものは死ぬ。そういう願いを届けてほしいのである。」
*この時代の人間は平均余命が60歳程度。
カルシアス「君らのことを考えて、魔方陣を描き、算段をしたとうのにー。」
トーエン「貴方がたの城が完成するのにー500年ぐらいかかるんでしょう。」
ヴァラン「我等は日々の作業をすすめておる。それぐらいの計画性を考えておる。」
トーエン「500年が300年になるぐらいがんばりなさい。具体的に言うとあの場所から出てくるな。」
カルシアス「いや~作業員を増員することが必要なのだ。それは仕方がない。」
トーエン「作業員を強引に仕事を押しつける現場監督がちゃんと~いれば作業もはかどるのでは?」
カルシアス「監督だけいても~仕事は、はかどらない。ちゃんと作業員がいないと。」
チェルシー「その人を集める為の「人類繁栄の幸福教団」なのだと。」
カルシアス「我等は、人間の為を思って活動をしているわけだ。神やエルフやドワーフに搾取されたり、迫害されたいしない為に。」
トーエン「貴方は、人間ではないとー。」
ヴァラン「元人間だよ。」

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