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惨劇の後

負傷兵達と分かれて、行けるところまでいこうとする冒険者達。
チェルシー「まだ見ぬ財宝がきっとーあるー。」
負傷兵「薬の一本ぐらいおいてってくれよー。ひどいー。」
と一部の罵声なんか、冒険者達にはまったく聞こえません。
そのころ、都市の反対側の北側では、少女達と難民は北へと逃げる人達と一緒に荷馬車にのって、とりあえずこの場を離れる。疲れ切った難民達の足どりは、重くなかなか進んでいかない。
夜の帳は徐々に降りいく。
トーエン「叫んでいた奴がいたからーお尋ね者になっちゃうなー。」
レッシュ「見ている奴は、いてもーねー。そこまでのことになるのかねー。」
エリー「あれまー。」
トーエン「吸血鬼になってしまった人々は、もう不可抗力というか~。成敗するしかないよなー。後悔もしていない。」
レッシュ「やりようはあったかもしれない。」
幕間
「奈落への縦穴は開かなかった。」
「此度の計画は、大失敗ですかな。」
「この神殿は、我等の根城にしよう。」
「人々の怨念が渦巻いておる。」
「大穴が開いて、焼け死んだ者達の情念が叫んでおる。」
「すでに死んでおる者達の思いに大僧正はどう考えるのか?」
「咎人を神殿前の広場の大穴に引っ立てよ。」
「早くしないと、騎士達が到着してしまいます。」
翌日 7月16日
バインダンゲル中心部 地震で倒壊した家屋は、そこここにあります。
市民は、ことごとくこの地を離れてしまった後です。
広場を取り囲むように設置された巡礼者の雛壇は、すべてが倒壊しています。
赤き衣の司祭達に引き立てられて、よろよろと歩いている大僧正。
音がまったくしない神殿前広場。
大穴には、死体や白骨が散乱している。
大僧正「なんだ~この光景は?」
司祭「廃墟ですよ。貴方が民衆に散々説教した場所ですかね。」
大僧正「民はどうしたのか?」
司祭「目の前にいるじゃ~ないですか?散々搾り取った後の脱け殻が目の前に。」
大僧正「そんなことはしてはおらぬ。焼け焦げた死体や骨しかないではーないか?」
司祭「いやいや~目の前にいるではありませぬか?」
大僧正「なぬ。」
司祭「体を失った人達が、だましたなー。と悪態をついているではーありませぬか?」
「だましたなー。」
「裏切ったなー。なんで~お前がいきているんだ。」
「数多の声が聞こえるではありませぬか?」
「飢えや苦しみのない国へ連れていくと言っていたのにー。」
(悲鳴)

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