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浪費

盾の中に首を突っ込み覗き込んで見るトーエン。
中は、小人が住んでいた区画につながっている閉鎖空間である。
ゴミが散乱し、汗臭く異臭がする。人間が入れぬわけではないが、かなり天井が低いという感じである。
間取りは3LDKでちゃんと炊事場もあるが小人サイズなので人間二人で目いっぱいという状況である。
小人「一生懸命働いたんだしー。琥珀ひとつくれよ~。」
トーエン「一個でいいの?」
ちょっと考えて
トーエン「じゃ~芋虫500匹ほしいなー。」
小人「悪徳!業突く張り~。」
次元商人 しぶしぶ500匹ほど入ったバケツを差し出す。
トーエンが差し出し琥珀の欠片をひとつ 奪取して逃げさる小人たち。
歓喜の小人たちぞろぞろと逃げていく。
ドサクサにまぎれて消えてしまう次元商人。
そこには、冒険者達だけになる。
市場をうろうろしてみると値札が高価なものはみんな芋虫の数であることがわかる。
レッシュ「そういやー。どうやって帰還するの?」
トーエン「逃げていったじゃん。」
エリー「帰る方法はあるの?」
トーエン「商人!芋虫10匹で元の場所に戻してほしいんだけど」
返事はありません。
トーエン「琥珀返せっていわないからさー。」
と叫んでも、何この変態みたいな感じで通行人から凝視されるぐらいです。
なにせ 言葉がまったく通じていないのです。
とりあえず、言葉のわかる商人
それも今まで話をしていた奴とまったく同じような風貌の次元商人達わらわらと集まってくる。
トーエン「元の世界にもどりたいのだが~幾らぐらいかな。」
商人「元は、いずこやな?」
トーエン「破滅を夢見る者がいるところだよ。」
チェルシー「寝ているところの神殿の隅っこだよ。」
商人「いずこじゃ?さふ申す輩は、是非に及ばぬ。」
チェルシー「じゃ~アイウーズがいるとこってどうよ。」
一部の商人はびっくりして、逃げ出す。
商人「それって火の精霊の領域なんだが~。あんたら!ほんとにそんなところに行きたいのかな?まったくの無防備のようでもあるしー。」
悪徳商人「よき道具、そろりて候で候。安くしんすより、いかがぞ。我、商い処にきて願いたもうぞ。」
チェルシー「ロルスがどうとかー。」
一部の商人はびっくりして、逃げ出す。
商人「それは~奈落の深淵をほてほてとそれもかなり深いところまでを降りていかないとー。」
老人商人「悪魔の女王かいのー。ドロウエルフの女神だったのー。」
悪徳商人「それは無謀というものだ。」
レッシュ「前に来たよねー。しかし~ここはどこ?」
エリー「だめだー。これじゃ~帰れない。(T-T)」
レッシュ「前の商人の名前って何?」
トーエン「マーケイン。」
爆笑する商人達。
商人「それは、我の種族の名であって個体を現す一位名ではないのだよ。いい加減にあしらわれていますね。騙されているとしか言えないのだが~。」
トーエン「やられた~。」
囲んでいる商人を押し退けて、武器屋をいろいろと見て回る。
対価を払えば、なんとでも手に入るような感じがするが、目移りしてしょうがないのである。
いたずらに時間だけが流れていく。
トーエン「世界の間を運んでくれる業者っていませんか?」
商人「そういう業者は、むこうの山を数千米ほど登った天辺の町にいったほうがいいと思うぞ。」
さらに通行人を捕まえて
トーエン「貴方の同属に無理やりつれてこられただが~。元の世界に戻してほしいのだが~。」
商人「どっから~来たの?」
トーエン「人間界。」
商人「それは~あっちこっちにあるよ。それだけじゃ~無理だね。」
商人との問答は続くがまったく解が見えない。
またまたいたずらに時間だけが流れていく。

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